1型糖尿病のこどもと家族の生活
本冊子は、糖尿病医療の進歩や社会の変化のなかで、1型糖尿病のお子さんやご家族が必要としている情報を、できるだけ分かりやすくコンパクトに伝えたいと考え、改訂を重ねてきました。
今後は、本学会で内容を更新していきますので、ご活用いただければと思います。
このページでは、冊子に含まれる22章の内容を1カ月に2章づつ紹介していきます。
冊子「1型糖尿病のこどもと家族の生活─改訂第3版─」(2022年5月20日発行)は、日本小児・思春期糖尿病学会に著作権が移譲されました。
最新リリース
はじめに
糖尿病のお子さんとご家族は、お子さんの入院にはじまる驚き、不安、悲しみなど、さまざまな体験を経て、それぞれの家庭での生活をはじめます。糖尿病は、外から見てわかる病気ではありませんし、日本では糖尿病をもつお子さんの数が少ないので、周囲の人に分かってもらう難しさを感じられる方も多いでしょう。それでも多くのお子さんやご家族は、糖尿病になったことをきっかけとして、周囲の方々の理解や協力を得ながら、より良い生活を考え、工夫しておられます。
この冊子の初版は、子どもの糖尿病について書かれた資料がまだとても少なかった平成4年に、千葉県内の小児糖尿病外来やサマーキャンプで学ばせていただいたことをもとに、千葉大学看護学部のスタッフが小児科医の協力を得ながら作成しました。糖尿病の治療の進歩や生活スタイルの変化に合わせて、平成10年と25年に改訂版を作成しました。近年の糖尿病の治療の進歩はめざましく、2015年に日本語表記の持続血糖モニタリング機能をもつインスリンポンプが登場してからインスリンポンプを用いるお子さんがとても増えてきたことから、改訂3版を作成することにしました。治療は大きく変わっても、糖尿病をもち成長していくお子さんが社会のなかで生きていく力を育む大切さは、昔も今も変わりません。
この冊子は、お子さんとご家族が入院中や外来で、あるいはご家族で必要な時に開いてみていただくと同時に、幼稚園や学校の先生に読んでいただいてもよいと思います。また、病棟や外来で指導にあたっておられる医師や看護師の方々にもご利用いただければと思います。この冊子が糖尿病のお子さんやご家族の生活のために、少しでも役立つことを願ってやみません。
令和4年5月
千葉大学大学院看護学研究院
中 村 伸 枝
1型糖尿病のこどもと家族の生活 ─改訂第3版─
2022年5月20日発行
編集・執筆
中村 伸枝(千葉大学大学院看護学研究院)
金丸 友(東京情報大学看護学部)
薬師神裕子(愛媛大学大学院医学系研究科)
野本 美佳(愛媛大学大学院医学系研究科)
ご協力くださった方々
高谷 具純(千葉大学大学院医学研究院小児病態学)
濱田 淳平(愛媛大学大学院医学系研究科小児科学)
初版・改訂版・改訂2版にご協力くださった方々
兼松 百合子,出野 慶子,野口 美和子,横田 碧,内田 雅代,
銭 淑君,二宮 啓子,谷 洋江,佐々木 望,宮本 茂樹,村田 敦,
今田 進,杉原 茂孝,上瀧 邦雄,皆川 真規,数川 逸郎,新美 仁男(敬称略)
本冊子は、科学研究費補助金(19K10899研究代表者:中村伸枝)を受けて作成した。