1型糖尿病のこどもと家族の生活
17. ストレスとうまくつき合おう
ストレスって、なに?

広い意味では、風邪をひくことや、とてもうるさいところ、寒いところにいることなど、身体にとって負担になることが含まれます。
ふつうは、自分にとってつらい、いやな、不安ものと感じたことをストレスとよんでいます。ストレスに感じる内容や、どれくらいストレスに感じるかは人によってちがうので、友達がストレスに感じることとあなたがストレスに感じることが、いつも同じであるとは限りません。ストレスがあることにあなたが気づかないことや、うまく人に伝えられないこともあります。
そういう時には、イライラしたり、いやな感じがしたり、きんちょうしたりします。
ストレスは、糖尿病のコントロールを悪くする?
ストレスがあると、ストレスホルモンが出て、血糖が高くなります。また、ストレスがあるときには、注射をしたり、血糖をはかったり、決められた食事を守ったり、といった治療やきまりを守ることがむずかしくなるといわれています。
- ストレス
- 「やることがたくさんある」
- 「試験がイヤだな」
- 「クラス替えで友達とはなれちゃった」
- 「友達とケンカしちゃった」
- 「注射がいたくてイヤだな」
- 「おかしをたくさん食べたいのに」
- 「低血糖をおこしたらイヤだな」


- 生活の変化
- 規則的な生活が乱れる
- 気晴らし食べをする
- お酒を飲んだり、タバコを吸う
- 治療やきまりを守れなくなる
- 注射や血糖測定をわすれる
- 食事をたくさん食べてしまう

- ストレスホルモン


ストレスは、ないほうがいい?
あるていどのストレスは、むしろ健康的であり心を育てます。ストレスをのりこえようと努力することは、ストレスに対していろいろな方法でのりこえられるように、心をきたえてくれます。
ストレスをのりこえよう!
一度にたくさんのストレスがたまらないようにしよう
受験や進学、身近な人が病気になった時など、大きなストレスのあるときには、できるだけ生活にゆとりをもたせ、ほかのストレスを作らないようにしましょう。
ストレスをのりこえる方法をたくさん身につけよう
ストレスをのりこえる方法を、対処行動(たいしょこうどう)と言います。
子どもの対処行動には、次のようなものがあります。
“友達のサポートを求める”……友達に相談したり、いっしょにいることで、イヤなことをわすれる
“自分で積極的に問題に取り組む”……自分で努力して問題を解決しようとする
“感情を表出させる”……どなったり、不満を言ってすっきりする。人のせいにする
“楽観的に考える”……何とかなる、と考えたり、よい面に目をむける
“家族の力を求める”……家族に悩みをうちあける。いっしょにいて安心する
“気晴らしとリラックス”……好きなことをして気晴らしをする。ねむる。
ストレスをのりこえた経験は、その次にストレスができたときに役立ちます。
大きなストレスがあるときに役立つのは、特別なものではなく、いつも行っている方法だったと、多くの友達が話していました。ストレスをのりこえる方法をたくさんもっていることで、ストレスに強くなれます。
ストレスのあるときは、やけ食いに気をつけよう
ストレスがたまると、食べて気を紛らわす「気晴らし食べ」をすることがあります。これは、治療やきまりをきちんと守っている人にもみられ、食べてしまった後で後悔し、ストレスを増やしてしまう傾向があります。体重が増えたり、コントロールが悪くなったりすると、さらにストレスが増えますね。
小さな子どももストレスを感じる?
どんな年齢の子どもにもストレスはあります。小さな子どもの場合、自分がストレスを感じていることに気づかなかったり、うまく人に伝えられなかったりします。小さな子どものストレスは、便秘、おもらし、吐き気、咳、脱毛、イヤイヤが強いなど体や行動に表れやすいです。しかし、風邪や胃腸炎に間違われたり、子どもの特徴や性格とみなされたりすることもあります。子どもにもストレスがあることに気づき、子どものサインを見逃さないことが大切です。

小さな子どもの場合には、頑張った時にたくさんほめてあげる、楽しみをたくさんもつ、お友達と仲良くできる、子どもが相談してきたときはよく話を聞いてあげる、といったことを積み重ねることが、大切です。