1型糖尿病のこどもと家族の生活
02. どうして糖尿病になるのでしょうか
1型糖尿病(いちがた とうにょうびょう)
子どもに多い1型糖尿病がどのようにして起こるのか、世界中の学者が研究しています。近年では研究が進み、1型糖尿病の多くは糖尿病になりやすい体質(遺伝)と、かぜやおたふくかぜのようなウイルス感染など環境の要因が組み合わさり、自己免疫(自分の体の細胞を、自分で攻げきして、こわしてしまう)反応によって、すい臓のランゲルハンス島にあるβ細胞がこわされることでおこることが分かってきました。でもまだ、充分には明らかにされていません。
日本には、15歳未満の子ども約5,000人に1人の割合で1型糖尿病の子どもがおり、毎年、新たに1型糖尿病を発症する子どもは約500人と報告されています。これは、ぜん息や腎臓などの病気をもつ子どもの数よりずっと少ない数です。2017年に小児慢性特定疾病医療費助成(しょうにまんせい とくてい しっぺい いりょうひ じょせい)を受けている18歳未満の1型糖尿病の子どもは、全国で4,310人です(小児慢性特定疾病情報センター)。
フィンランドやスウェーデン、アメリカなどでは、下の図にあるように日本よりずっと多くの子どもが1型糖尿病を発症しています。また、ヨーロッパの国々では、最近、1型糖尿病の子ども、とくに幼児の発症が増えてきているという報告があり、生活習慣などの環境の変化が注目されていますが、日本では、大きな変化はないと報告されています。
2型糖尿病(にがたとうにょうびょう)
2型糖尿病は、おとなに多く、糖尿病になりやすい体質(遺伝)と、食べ過ぎや運動不足による太りすぎ、ストレスの多い生活(生活習慣)などが原因になっているといわれています。糖尿病になりやすい体質は1型糖尿病より2型糖尿病の方が強いといわれ、日本では、2型糖尿病の子どもの約半数は、家族の誰かが糖尿病をもつといわれています。学校検尿によって2型糖尿病が見つかる子どもも増えており、中学生以上では、1型糖尿病より2型糖尿病の方が1年間に発症する割合が多くなっています。
世界的にみても、太りすぎ(肥満)の子どもが増える中で、2型糖尿病の子どもが急に増えて問題になっています。
日本では、小児糖尿病キャンプが行われたり、小児慢性特定疾病医療費助成で治療費が補助されたり、インスリン療法や血糖測定器が進歩したり、糖尿病を専門とする医師や看護師・栄養士・薬剤師などのチーム医療が進むことで、1型糖尿病の子どもたちの治療や生活はよくなってきており、おとなになってからの重い合併症も減ってきています。
1型糖尿病になったことに、いろいろな思いがありますね。
どうして私だけがこんな病気に!?
まさか糖尿病だなんて!!
「とてもショック」「信じられない」
「とても悲しい」「とても悔しい」
「では、どうしたらいいの?」
「とにかくやらなければ……」「何とかしよう」
「自分だけではない、みんなも頑張っている」
「みんな わかってくれる」
「みんな はげましてくれる」