1型糖尿病のこどもと家族の生活

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06. 食事しょくじ

糖尿病の子どもにとって、食事は血糖コントロールを考える上でとても大事なことです。1型糖尿病における食事の基本は、同じ年齢・同じ性別の子どもと同じぐらいのエネルギーをバランスよくとることです。

成長期にある子どもは、丁度よいエネルギーを、炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの5つの栄養素をふくめてバランスよくとること、楽しく食事をすることが、心と体を健康に保つために大切です。

バランスのよい食事とは?

バランスの良い食事をとるためには、次の3つのグループをそろえましょう。

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朝・昼・夕の1日3回、主食・主菜・副菜のある食事をすると、3つのグループがそろってバランスのよい食事になります。これらに牛乳または乳製品、果物を加えてとるとよいのです。

バランスの良い食事を考えるために、日本人の食事摂取基準、「糖尿病食事療法のための食品交換表」、「食事バランスガイド」なども参考になります。それぞれ、基本となる単位などの考え方が異なるので気をつけましょう。

使ってみよう!食事バランスガイド(農林水産省)

カーボカウントとは?

5つの栄養素のうち糖質を多く含む炭水化物(カーボ)だけが食後の血糖値を急にあげる働きをもっています。カーボカウントとは、食事にふくまれる糖質の量に合わせて食後の血糖値を調節する方法です。これからとる糖質量と食事前の血糖値からインスリン量を決めます。

脂質やたんぱく質が全く血糖の上昇に影響しないのではなく、4時間以上たってから血糖値を上昇させます。そのため、炭水化物以外の栄養素のことも考えることが大切です。

カーボカウントは、バランスの良い食事を大切にしたうえで成り立つ考え方なのです。

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実際にインスリン量を決めるときは、食事の炭水化物量だけでなくその時の血糖値や、前回の注射を打ってからの時間、運動の前かどうかなどを、考えて決めていきます。カーボカウントの指導をしている医師や看護師などに相談しましょう。

はじめてみよう!カーボカウント(日本メドトロニック株式会社)

食事量に目安をもつ

  • 家では、自分のお茶わんでごはんを測り、カサと重量をみておくとよいでしょう。ふだんから計量することで、食品をみただけでカーボ量が分かるようになります。
  • 外食やコンビニでは、成分表示や成分ラベルをみる習慣をつけましょう。

思春期の食事

思春期を過ぎると成長がゆるやかになるため、たくさん食べ続け、食べた量に合わせてインスリンを増やしていると、血糖コントロールは良くてもどんどん太ってしまいます。身長が伸びなくなってきたら食事の必要量も減るので、それに応じて食事量を調節することが必要です。

一方で思春期の女性では、体型をとても気にして、太っていなくても太っていると感じて無理なダイエットを試みたりすることがあります。食べる量をきょくたんに減らしたり、がまんできなくなってたくさん食べたり、特定の食物にかたよったりすると、インスリン注射の量や打つ時間もばらばらになり、糖尿病のコントロールにも悪い影響をあたえます。

自分の標準体重を知り、太りすぎたり、やせすぎないようにしましょう。

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