1型糖尿病のこどもと家族の生活
07. 運動
運動はすべての子どもの健康な生活のために必要なことです。子どもの時の運動習慣はおとなになってからの運動習慣につながることもわかっています。運動習慣をもつことは、生活習慣病などの予防につながり、将来にわたる健康生活につながるのです。1型糖尿病は、運動不足や肥満が原因で発症するものではありませんので、治療のためにしっかり運動することを目指すわけではありませんが、以下のような大事な意味をもっています。
どうして運動するといいの?
運動は、血糖値を下げる効果以外にも、毎日の生活が楽しくなる、将来の生活習慣病のリスクを下げるなど多くのメリットがあります。
- 運動により使われたエネルギーを補うように、血中のブドウ糖が使われ血糖値が低下する
- インスリンの効き目が良くなる
- 体力を高め、強い心身を育てる
- ストレスの解消、楽しみ
- 規則正しい、活気のある生活
日常の生活の中で運動するには?
運動を続けるためには、糖尿病のために特別に運動するというよりは、体を動かす遊びをする、運動系の習い事をする、運動部に入る、犬の散歩に行くなど、遊びや楽しみのため、友達と過ごすために行えるといいですね。
みなさんがよくしている遊び・運動
鬼ごっこ、ボール遊び、遊具を使った遊び、
一輪車、マット遊び、なわとび、
散歩、ジョギング、サイクリング、
体操、筋肉トレーニング
一輪車、マット遊び、なわとび、
散歩、ジョギング、サイクリング、
体操、筋肉トレーニング
定期的な運動
学校での体育
運動系部活
スポーツ教室 など
運動系部活
スポーツ教室 など
運動を続けるコツ!
- 定期的に運動できる運動系部活やスポーツ教室に参加する
↓ これが難しい時は - 通学をバスから自転車、徒歩に変更する
遠回りする、1つ前のバス停で降りて歩く - 遊ぶときは外遊びにする
- 友達や家族と一緒に楽しみながら運動する
- 外に出る時間を多くし、家に閉じこもらない
- 運動量や消費カロリーを記録したり、運動をうながす
アプリやゲームを利用する
運動不足の人には
中学生や高校生になると運動不足の人が増えてきます!
- 勉強や塾の時間が増える ⇒ 運動を気分転換に活用する、集中力アップ!
- マンガ、テレビ、ゲーム、スマホが多い ⇒ 友達や家族と一緒に外出や運動を
- いつでもどこでもできる運動をする
⇒ 家の中でも、夜中でも、一人でもできる体操や、筋肉トレーニングを取り入れる
運動するときに気をつけるポイント
- 血糖値が高く、尿ケトンが多量に出ているとき(ケトアシドーシス)
運動により、さらに悪化することがあります。運動するのは止めて、インスリン注射をして、糖質をとって、早くケトアシドーシスをなおしましょう。(→ 09.高血糖・ケトアシドーシス・シックデイを参照) - 運動する前
はげしい運動、長時間の運動をするなど低血糖のリスクがあるときは、必要と考えられる補食をとりましょう。 - 運動した後
運動をしてたくさんエネルギーが必要なときは、ブドウ糖を蓄えている肝臓のグリコーゲンを利用します。使ったあとは肝臓にグリコーゲンが補充されます。肝臓へのブドウ糖の補充は運動後12~13時間続くので、運動後10数時間後(夜間など)にも低血糖がおきることがあります。
はげしい運動や長時間の運動をした後は、時間がたってからの低血糖にも注意が必要です。