1型糖尿病のこどもと家族の生活

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21. 幼児期ようじきどもをもつご家族かぞく

幼児期のお子さんを育てるのは、日々の成長が楽しみな反面、大変なことも多いですね。糖尿病をもつお子さんの場合は、インスリン注射や血糖測定を毎日行い、低血糖症状にも気をつけなければなりません。ご家族はこのような中で、よい血糖コントロールを保とうと頑張っておられることだと思います。
 でも、幼児期のお子さんは体調を崩しやすく、また日々の食事や運動量も一定しないので、血糖値の変動が大きくなりやすいものです。血糖やHbA1cの値に気を取られ過ぎていると、お子さんの小さな変化や気持ちに気づけないこともあります。これらの値を参考にしつつ、楽しく育児をすることも大切です。
 小さなお子さんも、少しずつ成長し、自分で糖尿病を管理しながら社会のなかで生活していくようになります。

楽しい食卓になっていますか? 

1型糖尿病の食事療法は制限ではなく、その年齢の成長・発達に必要なエネルギー量や栄養素をきちんと摂取すること、つまり健康的な食生活を送ることです。とはいえ、幼児期は食べむらや一過性の偏食などが多い時期であり、せっかくお母さんが食事の準備をしても、全部食べない場合もあります。“残さず食べること”は、1型糖尿病のある、なしにかかわらず大切ですが、低血糖に対する不安から、つい「食べなさい」と強制してしまうことは、お子さんにとってつらいことなので、神経質になり過ぎず“楽しい食卓”にしましょう。近年、インスリン療法が進歩して、お子さんの食べる量に合わせてインスリン量を調整しやすくなりました。
 子どもの時期は食習慣を築く時期であり、規則的な食事と食べ過ぎないことは大切です。糖尿病のあるお子さんは、特に糖分や炭水化物を多く含む“おやつ”には気をつけましょう。カロリーカットのアイスクリームやチョコレートなども市販されているので、上手に利用してお子さんの満足と血糖コントロールとのバランスをうまくとっていきましょう。

幼稚園や保育園での集団生活

幼児期のお子さんは、幼稚園・保育園でインスリン注射の仕方は様々で、行うこともあれば、行わないこともあります。近年、インスリンポンプを使用するお子さんも増えてきました。昼食に合わせて基礎レートを高く設定し、昼食時のボーラス操作を不要にすることで、幼稚園・保育園で特別な操作をなくす工夫も行われています。主治医の先生と相談してみてください。
 幼稚園・保育園で先生に気をつけてもらうことは、低血糖症状に早く気づいてもらうことと、その対応方法です。お子さんの低血糖症状がどのような状態なのかや、症状が起こりやすい時間帯などがあれば、あらかじめ伝えておきましょう。また、お子さん自身が低血糖症状がわかるようであれば、先生に伝えるように話をしておきましょう。低血糖時に補食をとるにあたり、お友達にもその大切さがわかるように話しておくことも大切です。
 特別な行事(遠足やお泊り会など)では、どのように先生に配慮してもらえば、お子さんが他のお友達と同じように行事に参加できるかを、幼稚園・保育園側とよく相談してみてください。1型糖尿病のために「○○できない」ということはありませんので、周囲の理解を得ながら、お子さんが楽しく幼稚園・保育園で過ごせるようにしましょう。

就学に向けて

就学前に1型糖尿病に関するパンフレットなどを用いて、まず学校側に病気について理解してもらいましょう。また、学校生活において配慮してほしいことについてよく相談しておきましょう。学校での血糖測定や補食の摂取場所、保管場所などを話し合ったり、お友達にどのように病気のことを伝えるかは、お子さんの気持ちも尊重したうえで、相談してみてください。
 お友達が病気のことを正しく理解してくれれば、低血糖時に先生に教えてくれたり、お子さんをサポートしてくれることでしょう。お子さんが、できるだけ他のお友達と同じような学校生活が送れるように学校生活の環境を整えてあげることはご家族の大切な役割となります。

絵本や動画の活用 

幼児~小学校低学年向けの絵本や、動画も少しずつ増えてきました。幼稚園や学校に通うようになると、なぜ自分だけ注射や血糖測定をしているのか疑問をもったり、困ったりするお子さんもいます。絵本や動画を用いて病気についてお話しし、お子さんの気持ちを聞いてみることは、お子さんが、自分で糖尿病を管理していく一歩にもなります。
 また、幼稚園や学校の先生や友達に絵本や動画を見ていただくことも、糖尿病のあるお子さんの理解につながります。

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