1型糖尿病のこどもと家族の生活
03. 糖尿病をもちながら健康的な生活を続けるために
糖尿病になると、インスリン注射や血糖測定を行うこと、食事に気をつけたり体をよく動かすことなど、治療やきまりをずっと続ける必要があります。
“ずーっと、ながーく続ける”…… とても大変だなあ、と思いますね。でも、その決まりを守っていけば、みんなと同じように、学校でも、家でもふつうに過ごすことができます。
1型糖尿病でも2型糖尿病でも、その治療や管理のためには、健康な生活習慣を守っていくことが基本となります。とくに、次の生活習慣が大切であることがわかりました。
- 朝起きる時間や夜寝る時間が規則的で、朝すっきり起きられること
- 朝ごはんを毎日食べること
- 運動や外遊びをすること
- テレビやスマホを見たりやゲームをする時間が長すぎないこと
- 歯みがきや手あらい、入浴などの清潔習慣がよくできていること
- 中学生や高校生になっても、お酒を飲んだりタバコを吸ったりしないこと
糖尿病のためによい生活習慣は、全ての子どもたちにとって、よい習慣でもあるのです。
子どもは家族といっしょに生活していますので、家族の生活習慣は子どもの生活習慣と深い関係があります。さらに、家族の生活習慣は、子どもが行うインスリン注射や血糖測定、食事や運動などとも深い関係があることがわかりました。とくに、家族の「ねる時間」と「運動をよくする習慣」は、大切であるようです。
お子さんが糖尿病になってから、「バランスの良い食事、野菜をたくさん食べるようになった。規則正しい生活をするようになった。」など、家族みんなでよい生活習慣をおくるように努力している方がたくさんいらっしゃいます。「生活に気をつけるようになって、家族みんなが“かぜ”をひかなくなった。」そんな声も聞かれます。
家族みんなで、生活習慣をみなおしましょう。
でも、急にがんばりすぎても、うまくいきません。
少しずつ、ずーっと、長く続くように……
入学や新学期などの節目でみなおすこともいいですね。
正しく治療を続け、生活のきまりを守っていくために、病院では、医師、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師、ケースワーカー、カウンセラーなど、たくさんの人が相談にのってくれます。
学校では、担任の先生や養護の(保健室の)先生、そのほかみんなが気をつけてくれます。お友達にも話してみるといいですね。初めて知った人はびっくりして、いろいろ聞いてくるかもしれません、そうしたら、この本にあることを説明しましょう。きっとよくわかって協力してくれるでしょう。
お父さん、お母さんは、みなさんがすることを手伝ってくれます。でも、自分のことですから、自分で気をつけ、必要な時に手伝ってもらうようにしましょう。
インスリン注射や血糖測定は、規則的な生活をすることで忘れにくくなります。規則的な生活は、治療のためにも大切ですね。食事のめやすやカーボカウントなども、くりかえすうちに慣れてくるので、自然にできるようにしましょう。
「とってもイヤ!」と思うことがあるかもしれませんね。みんなその気持ちをわかってくれるでしょう。とっても大変だけれども、自分自身のために、なんとか気持ちをかえていきましょう。だれかに相談したり、病院で同じ病気のひととお友達になったり、糖尿病のサマーキャンプに参加して思いっきり遊んだり、話し合ったりするのもいいでしょう。
糖尿病について、また、コントロールのしかたについて学び、そして、多くの友達やまわりの人たちに支えられて、元気に、よい日々をすごすようにしましょう。