過去の学術集会情報 (学術集会開催のご報告:第29回)

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第29回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会を開催して

  2024年7月15日(月、海の日)、九州大学医学部百年講堂(福岡市)にて、第29回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会を開催させていただきましたのでご報告申し上げます。

  第29回の本学術集会は、前身の日本小児・思春期糖尿病研究会より東京、大阪の持ち回りで行われていた年次学術集会を、(東京オリンピックの年を除き)初めて地方で、かつ全国各地より集まっての現地開催で行いました。小児・思春期から成人へ、COVID-19パンデミックで途絶えたサマーキャンプのノウハウの継承、そして多くの職種が全国から集まっての福岡での開催を踏まえて、今回のテーマを「未来へ、そして横へと繋ぐ糖尿病医療」といたしました。

  開催日が博多祇園山笠の最終日、追い山笠の日のため宿の確保が困難になること、また福岡での現地開催ということで、どれだけの方に参加いただけるかが心配でした。しかし、最終的に280名もの方に参加いただき、無事、終えることができました。参加者の内訳は医師(会員)114名、医師(非会員)34名、メディカルスタッフ(会員)41名、メディカルスタッフ(非会員)61名、その他30名でした。日本糖尿病学会、CDEJの単位に加え、LCDEと薬剤師に関する単位も取得できるようにしましたので、日頃本学会に参加していない福岡近郊の多くの非会員の医師、メディカルスタッフにも参加いただけたのだと思います。

  一般演題には、 40もの応募をいただきました。うち九州沖縄より12演題あり、またメデイカルスタッフからの応募は14演題でした。若手優秀演題賞にも11演題の応募がありましたが、プログラムの都合、当日の口頭発表には抄録審査で8演題へ絞りこまざるを得なかった点は申し訳なく思います。最終的に、口演16演題(含若手優秀演題賞候補口演8演題)とポスター24演題のプログラム構成になりましたが、口演、ポスターともに、活発な質疑応答がなされ、参加者の皆様の熱意が感じられました。

  一般演題のほか、シンポジウムでは、「COVID-19パンデミック後の糖尿病サマーキャンプを考える」をテーマに感染対策とノウハウの継承について討論を行いました。また、糖尿病の治療法の進歩についての特別講演、研究・症例報告の倫理的配慮と成人期移行における社会教育・生活指導についての教育講演、佐賀県における20歳以降の1型糖尿病患者への医療費助成の取り組みについての会長特別企画、そしてAHCL、1型糖尿病での治療デバイス、低血糖についての企業セミナー等、盛りだくさんの内容でした。どれも、小児科医、内科医、メデイカルスタッフ、糖尿病療養指導士、すべての職種の診療・研究に役立つ内容であったと確信し、参加者の皆様に多くのことを学んでいただけたと思います。

  おかげさまで、「未来へ、そして横へと繋ぐ糖尿病医療」のテーマにそった開催・運営を行うことができました。多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。また、多大なるご協力をいただきました関係各位ならびに企業の皆様方には、厚く御礼申し上げます。

第29回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会会長
都研一(地方独立行政法人福岡市立病院機構 福岡市立こども病院 内分泌・代謝科)

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