過去の学術集会情報 (学術集会開催のご報告:第27回)

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第27回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会を開催して

  2022年7月18日東京都のアルカディア市ヶ谷で第27回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会を現地開催させていただきました。さらに7月27日から8月10日まで一般演題およびランチョンセミナー一つをオンデマンド配信致しましたのでご報告申し上げます。

 7月18日はCOVID-19第7波の中ではございましたが、おかげさまで269名の方々に参加登録いただき、116名の方々に会場参加をいただきました。その後のオンデマンド配信を123名の方々に視聴いただき、盛会のうちに無事終了することができました。これもひとえに皆様方のご高配とご助力の賜物と、心より感謝いたしております。

 今回の年次学術集会の会長を指名されたのはCOVID-19が流行する前の2019年7月でした。2021年の開催に向けて準備を開始しようとした矢先、2020年COVID-19の世界的流行が始まり、2020年開催予定の第26回年次学術集会の1年延期が決まり、結局今回の年次学術集会が2022年に延期された次第です。COVID-19流行状況に左右される中の学会準備は苦労致しました。関連メーカーもコロナ不況のあおりを受け、マイナーな学会協賛は縮小傾向でした。コロナ前では会場の企業展示は10社程度協賛していましたが、3社にとどまりました。2022年に入り第6波が起こり、学会1か月前は減少傾向となり、現地開催、オンデマンド配信で開催することに致しました。

 今回は「小児期から将来を見据えた糖尿病診療」というテーマで演題募集を行い、
過去最高の一般演題36題のご応募をいただき、それぞれのセッションで活発な討論、意見交換が行われました。特別講演は現理事長の浦上達彦先生に「1型糖尿病における先進医療をどのように行うか」というタイトルで先進医療が進む糖尿病診療のご講演をいただきました。さらに、ランチョンセミナーでは大阪公立大学の川村智行先生に今年から日本で使用可能となったハイブリッドクローズドループシステムを有するインスリンポンプ治療について、岡山済生会総合病院糖尿病内科の利根敦仁先生に持続血糖モニタリングを効率的に運用するシステム構築とチーム体制についてそれぞれ最新の情報を発信いただきました。

 糖尿病は慢性疾患であるため、乳幼児期、学童期、思春期、それぞれのステージで何らかの問題に直面します。午後からは医師、看護師、栄養士、心理士、それぞれの立場で、「これまで経験を活かし早めの支援を考える」というシンポジウムを行いました。それぞれの立場、角度から子どもたちを見守る多くの意見が出ました。正解のないものもありますが、共感できるものも多かったと思います。小児・思春期糖尿病におけるチーム医療は成人に比べて実際に十分に行うことは難しい中、本学会において多職種で議論し、学会で得られた情報を持ち帰る必要性を再認識いたしました。

 朝8時半から午後4時過ぎまでの1日の学会で、中身の濃い内容でした。今回の学術集会にご参加いただき、誠にありがとうございました。それぞれの施設で子どもたちのQOL向上のためにご尽力のほど宜しくお願い致します。今後も小児・思春期糖尿病に関わる小児科、内科の医師はもちろんですが、看護師、栄養士、薬剤師、心理士理学療法士、臨床検査技師などメディカルスタッフにもたくさんご参加いただきたく存じます。

第27回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会会長
 神野 和彦(県立広島病院小児科主任部長)

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