過去の学術集会情報 (学術集会開催のご報告:第26回)

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第26回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会を開催して

 第26回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会を2021年6月20日に開催させていただきましたのでご報告いたします。
 本来ならば2020年6月開催の予定でしたが、新型コロナウィルス感染症の影響で1年延期し、感染の収束が見えず最終的にアクロス福岡から発信のWeb開催といたしました。Web開催のメリットと思われますが、学会には約400名、公開シンポジウムには300名以上のご参加をいただき、これまでで最も多くご参加いただけましたこと重ねて感謝申し上げます。

 午前中の学会では、サマーキャンプ、移行期、心理面とそれぞれのセッションで熱い議論が交わされました。昨年、そして今年もコロナ禍のため残念ながら集会でのサマーキャンプはできませんが、各地で来年から、自立を目指したキャンプが再開されることを願っています。また、移行期における工夫や問題点なども今後の大きな課題と思います。
心理のセッションでは、大変難しい思春期における問題点やその解決法など、大いに参考になるご発表が多くありました。
 午後の公開シンポジウムでは、特別講演で小川弓子先生から貴重なお話を頂きました。母として、医師としての葛藤や不安、その中でも周囲の方々に支えられて歩まれてきたということに強く感銘を受けました。患者さん本人だけでなく、ご家族の方にとっても、「前向きに生きよう!」と勇気を頂ける素晴らしいお話だったことと思います。
 また、4人のシンポジストのお話も大変素晴らしく、皆さんそれぞれから“夢”のあるお話で、感動と勇気をいただきました。ご参加いただいた皆様も、「明日からまた頑張ろう!」という気持ちになられたのではないかと思います。

 思えば3年前、この学会の会長を拝命した時には、このような任務を全うできるか不安で仕方ありませんでしたが、スタッフはじめ沢山の方々にご協力・ご支援をいただき準備を進めてまいりました。そして昨年、何とか形を作ることができたと思った矢先、新型コロナの蔓延で1年延期となり、その後もコロナの収束が見えない中ではありましたが、webを活用する「New Normal」な形で無事開催に至ることができました。これもひとえに関わっていただいた皆さまのお陰です。この場を借りて心より感謝申し上げます。

 14歳で1型糖尿病を発症し44年が過ぎました。私の主治医であり恩師でありました、故仲村吉弘先生は、「小児糖尿病の治療の目標は、その患者が自立するために将来を見据えた治療を行うことだ」と常におっしゃっていました。そんな恩師や亡き両親に感謝し、今後も小児思春期糖尿病の診療に尽力してまいりたいと思っております。

第26回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会長
南昌江(南昌江内科クリニック院長)

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