過去の学術集会情報 (学術集会開催のご報告:第30回)
第30回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会を開催して
2025年7月21日(月、海の日)、日本教育会館(東京都千代田区)におきまして、第30回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会を開催させていただきましたのでご報告申し上げます。
本学会はその前身である小児・思春期糖尿病研究会が1995年に設立され、2018年に学会化された後、本年で記念すべき第30回を迎えました。SARS-COV2の感染も収まり、現地のみの対面で開催させていただきました。
近年、医療工学が著しくの進歩し、多くの技術や新しい薬剤により、徐々に血糖値の制御が適切に行われるようになってきました。しかし、未だ糖尿病は完治できず、日々血糖値への配慮を継続していく状況に変わりなく、長期間の治療継続が必要です。治療意欲は様々な事柄や心情などにより影響を受けますので、医療者として取り組むべき姿勢として「医療の進歩を礎に全人的なケアを目指して」というタイトルを付けさせていただきました。
本学会は小児・思春期糖尿病の医療に携わる医師、看護師、栄養士、薬剤師、心理士など様々な職種医療職の方々で構成されております。本会の学会参加取得単位は、糖尿病学会専門医を始めCDEJ、都近隣のCDEL、薬剤師認定単位などを取得できるようにさせていただきました。最終的に284名もの方に参加いただき、無事会を終えることができました。参加者の内訳は医師(会員)123名、医師(非会員)28名、メディカルスタッフ(会員)54名、メディカルスタッフ(非会員)48名、その他31名でした。100名以上のメディカルスタッフの方々にご参加いただきました。
一般演題には 43(医師30、メディカルスタッフ13)題もの演題を登録いただきました。若手優秀演題賞には13演題の応募を頂きましたが、プログラムの都合上残念ながら9演題に絞らせていただきました。今回は、演題発表は最大3会場に分けて同時進行で、全一般演題を口演とさせていただきました。各セッションで活発な議論がなされてよかったと考えております。
特別講演では、「1型糖尿病の予防と治療に向けて―β細胞の保護と再生療法の進歩―」をテーマに、本邦および海外での1型糖尿病の発症前のスクリーニングの現状を鈴木潤一氏より、iPS細胞由来β細胞移植までたどり着いた険しい研究の道のりを豊田太郎氏にご講演いただきました。昨年から始まりましたJSDP-JSPAD交換レクチャーでは「1型糖尿病を患った人のプレコンセプションケアを考える」と題して、妊娠前の準備につき様々な角度から荒田尚子氏にご教示いただき、スポンサードセミナーではCGMの現状と問題点、今後の展望等について高木聡氏、土田由紀子氏にお話し頂きました。最後のシンポジウムでは第一線で糖尿病を持つ方への支援活動をされている方々にご登壇していただきました。種部恭子氏からは医師、政治家の立場から医療費助成開始に向けた取り組み、元阪神タイガース岩田稔氏からは、自らの1型糖尿病発症後の心境や体験、発症した方々へ勇気を与える取り組みについて、また前田利恵子氏から患者家族を含んだ心理的な問題への取り組みなどについて分かり易くお話を頂きました。私も改めて勉強になりました。
本会は演題数が多かったこともあり丸一日長時間の開催となりましたが、多くの方々に最後まで残っていただき活発な議論ができたことは、主催者として大変嬉しく感じております。改めてこの領域に関心のある医療者が沢山集まってくださったことに感謝の意を表します。
最後に、本学術集会開催決定後、多くの先生方からご助言、ご指導を頂戴いたしました。また、関連企業の皆様にも多大なるご協力をいただきました。ご支援いただきました皆様に心から厚く御礼申し上げます。
第30回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会会長
三浦順之助 (東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科学分野)